スケジュール

営業道場報告書 No.118

☆日 時  2016年2月12日(金) 19:00~21:00
☆場 所  新京都センタービル 5階 会議室
☆参加者  5名(吉田師範、西村、奥村、三浦、杉山)
☆内 容  「クレーム対応事例」
      進行指導:杉山

◎2月3日の節分、4日の立春、6日の初午と、2月は季節が冬から春へと移りゆく時季でもあります。「節分」と言えば「鬼」ですが・・・・
「どこまでも きみの ともだち」
⇒この言葉は、童話「泣いた赤おに」で、青おにが赤おにに残したメッセージです。

先日孫へ読み聞かせをしながら、自身の幼心にこの鬼たちの友への思いやりや優しさを学んだ記憶が甦ってきました。
そして、孫曰く「おばあちゃん、オニは自分の心の中に居るのかも?」と。確かに心のどこかに鬼の性(さが)を宿し、人間の力を超えて強く生きたいという想いがあるのでは・・・と考えていました。

◎今月の鍛錬は、1月に学んだ「クレームのメカニズム」を押さえたうえで、クレームの処理からクレーム対応について、事例で学ぶことにしましょう。


■中前先輩のクレーム処理
・ある日、新人の南上さんは周囲の人たちがお客様のクレーム対応に多くの時間とエネルギーを費やしている様子が気になりました。もし、自分にそんなクレーム対応が求められたら全く自信がありません。
堂々とした態度で自信を感じる5年先輩の中前さんにクレーム対応について話を聞くことにしました。

えっ、クレーム処理のやり方を知りたいって・・・・・。
もともと、クレーム処理なんて後ろ向きの仕事だよ、組織や自分にとってなんら良いことはないし、それを“お客様の立場に立って、親身に対応しろ”なんて美し過ぎる建前の話だよ。
まずは、お客様からの電話でも、直接来られたときも一緒なんだけど、自分が関係したクレーム以外は関わらないことだよ。だって、事情が分からない人間が対応してもお客様の心情を逆なでする可能性が大きいだろう。
さっさと当事者に電話回すか、対応に来てもらうか、当事者が忙しくて対応できなければお客様の連絡先を聞いて伝えるだけでいいよ。

自分に関係あるクレームに対しては、いくつかポイントがあるんだ。
まずは、当方が明らかに悪い場合はともかく、クレームの原因の所在がはっきりするまで安易にお詫びしない。だって、謝るってことはこちらが悪いということを認めることだろう、そうすると後は相手の言うことを聞かざるを得ないことになるからさ。無論、相手の言いたいことは3分程度だけは聞くことにしているさ。
しかし、反論のジャブは打つことは心掛けている、本来の使い方とか、規則とか、特別扱い出来ないとか・・・・、一方的な話にならないようにしている。
でも、クレーマーだと感じる場合は適当にあしらうことにしている、口調や態度でそれとなく分かるさ。自分には何の権限もなく、あなたの希望を叶える問題解決力も無いことを強調して、頼りない奴だというイメージを与えるのさ。そんな相手は、“上司に代われ・上司を出せ”・・・ってだいたい言ってくるので即先輩や上司に交代さ。相手は何度もクレーム内容について同じことを繰り返さなくてはならないので、ほとんど諦めるよ。

中には、手ごわい相手もいてさ、いつまでも諦めない人もいるよ。
そんなときは、生産性がなく後ろ向きなことで時間を取られるのはコストアップになるので、早く解決するために多少規則を超えた便宜を図ることや、お詫びとしてお金を払うこともあるよ。そのときは自分が即断して、後で上司に報告することにしている。
その場で解決してしまえば、要求が後々大きくなっていくこともないしさ。

もうひとつ最後に、もし相手から自分が暴力的危害を加えられそうだと少しでも感じたら速やかに警察に相談することも大切だよ。何にしても組織の利益を守ること、自分の心身を守ることが何より大切だよ。


◆さて、あなたが中前さんの上司で、こんな話を立ち聞きした場合、どのような指導を中前さんに行いますか?グループで意見交換してみてください。

✿中前先輩のクレーム対応についての指導(メンバーからの意見)

  1. 中前さんの言っていることで理解できる点として
  2. ・3分間は聞く・・・と言っている(ただししっかりと聴く姿勢で)
    ・特別扱いできない(ただし一線をもって)
    ・相手の言い分をしっかり聞いたうえで、反論ジャブも必要な時がある
    ・暴力的危害の時は速やかに警察に相談


  3. 中前さんの修正すべき言動や姿勢は
  4. ・クレーム処理なんて後ろ向き
    ・自分が関係したクレーム以外は関わらない
    ・クレームの原因の所在がはっきりするまで安易にお詫びしない
    ・対応できなければお客様の連絡先を聞いて伝えるだけ
    ・「3分程度」だけは聞く(決めつけ)
    ・クレーマーだと感じたら適当にあしらう
    ・頼りない奴だとイメージを与える
    ・即先輩や上司に交代さ
    ・お詫びとしてお金を払うときもあるよ
    ・自分が即断して
    ・何にしても組織の利益を守ること


  5. 中前さんはどのような対応(言動・姿勢)をすればよいのか
  6. ・クレームを言ってくるお客様の中には、「期待感(あなたの会社ならもっとこう出来るはず・・・など)」を持って言われる方もあるので、クレームには真摯に対応することがまずは大切。
    ・お客様視点で対応しないと、信用・信頼を無くすことになる。タライ回しはだめ。
    ・クレームは、会社組織の問題であり、適当にあしらうことは許されない。
    ・お客様に不快感、不愉快感などを与えているからクレームがあるので、「ご不便をおかけし、申し訳ありません」・・・・の気持ちは表す。
    ・クレーマーへの対応は、しっかりマニュアルを作ること、しっかりロールプレイをすること。
    ・組織の一員である以上、自分で即断はしてはだめ。


■ケーススタディ:「午後1時の約束じゃなかった?」
✿突然の仕事に追われていている森杉さんに、吉中商事の中前さんから電話がかかってきました。その時、今日の1時に吉中商事にアポイントを取ったことを失念していることに気づきました。
吉中商事はAさんから紹介を受け、訪問アポイントが取れたお客様で、森杉さんにとって大切にしたいお客様です。森杉さんは明日をはずすと、遠方の吉中商事に訪問出来る日は当面ありません。

・中前さん:「今、どの辺りにいますか?」「1時を過ぎているので心配になって・・・」
・森杉さん:“しまった”「ええっ・・今日でしたか、明日ではなかったですか」
「明日の1時と思っておりました」「明日のご都合は如何ですか・・・」
「明日なら確実にお邪魔できるのですが・・・」
・中前さん:「明日!会議も入っていてかなりタイトな日なんですよ」
「明後日の午前だと何とか30分は取れるんだけれど・・・・」
・森杉さん:「そこを何とか・・・出来れば1時間ほど調整願えませんか?」
・中前さん:「さっきも話したとおり、無理だね」
・森杉さん:「そうですか、何とか早く吉中商事さんのお役に立ちたいと思ったのですが・・」
・中前さん:「他人を待たせたうえに、それにその勝手な言いぐさは何なの」
「Aさんの紹介だから、無理をして時間をとったのに・・・」
「Aさんにもこのことは伝えておくからね・・・」
・森杉さん:「そんなことをおっしゃらずに・・・単なる勘違いなのですから・・・」
・中前さん:「・・・」・・・電話が切れた。


◆さぁ、この事例からどのような事が推測できますか?
 また、森杉さんは、具体的にどのような対応をすればよかったのでしょうか?
 グループで意見交換してみてください。

(メンバーからの意見)
  1. 中前さんの心情は?
  2. ・かなりの不快感。
    ・待っている時間がムダだった(時間は財産、還ってこない)。
    ・Aさんに伝えなくては(嫌な想いと、「こんな会社を紹介して」の怒りもあるかも)


  3. 森杉さんの反省点は?
  4. ・お客様視点が全く無く、自分勝手。
    ・謝らず言い訳をしている。
    ・中前さんを不快にしてしまった。
    ・せっかくAさんの紹介を潰してしまった。


  5. 森杉さんの対応から考えられる影響は?
  6. ・Aさんからの新たな紹介はなくなるだろう。
    ・森杉さんだけでなく、会社の評価も落としてしまった。
    ・再訪のチャンスを無くしてしまった。


  7. 具体的にどうすれば良いのか?
  8. ・まずは、森杉さん自身の非を認めて、真摯にお詫びをすること。
    「私の思い違いで大変ムダなお時間をとらせてしまい、申し訳ありません」
    ・お詫びにお伺いするための時間を取っていただけるよう、お願いすること。
    「大変恐縮で厚かましいお願いなのですが、お目にかかってお詫びをさせていただきたいのですが、お時間いただけますでしょうか」
    ・会社としてお詫びをする必要がある。
    「この度は大変不快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。今後はこのようなことがないよう、深く注意いたします」

※この事例から、私たちが考えねばならないこととして、①まずは謝ること。②紹介者に対してもお詫びをする。③しっかりとしたクレーム対応のマニュアルを作ること。④マニュアルを実践訓練すること。


★本日の営業道場での学び:クレーム対応の基本ステップを押さえ、練習(ロールプレイ)すること。
✿クレーム対応の基本4ステップ
①マイナス感情の緩和・除去
・まずは不快、不便、不愉快、ムダな時間を掛けたことへのお詫びの言葉
②クレーム内容の確認
③問題解決・対応策の検討
④プラス感情への転換
・今後の対応姿勢など



★次回の営業道場は、3月11日(金) 19:00~21:00
★場所は、新京都センタービル 5階 会議室
★内容は、ケーススタディでクレーム対応を学ぶ