☆日 時 2013年8月9日(金) 19:00~21:00
☆場 所 新京都センタービル 3階 会議室
☆参加者 5名(吉田師範、細見、山下、倉本、杉山師範)
☆内 容 「交渉力」ロールプレイ
進行指導:吉田 師範
◎8月9日、原爆投下から68年の長崎原爆の日。また、8月6日は同じく広島原爆の日でした。東北大震災の津波で東京電力福島原子力発電所の汚染水問題等が解決しないまま、今年もこの日を迎えました。「核廃絶」の推進について、私たち一人ひとりがもっと「わが身のこと」と捉えて真剣に考えなければならないと、投下時刻の午前11時2分に黙とうしました(合掌)。
◎本日は5月に稲田先生よりご指導いただいた「交渉力」について、理解を深めるとともに、事例研究でのロールプレイの実践をすることにしましょう。
■稲田先生のテキストより
◆交渉における重要度順位づけ営業スタイルのチェックから、各自の順位づけ理由をグループで発表し、最終グループの討議結論を導き出してください。
☆各自の主張と、グループメンバーの主張との「交渉」のスタートです。
・あなたの部下、または後輩が将来有望な新規のお客様との商談に交渉事が発生しました。あなたは、下記の留意すべき事項をどの様な優先順位で指導しますか。(何が重要だと考えますか)すべて留意すべきことですが、敢えて重要順位をつけると・・・・。
No | 項 目 | 自分順位 | 討議結論 |
1 | 当方が獲得したい利益目標などを実現するために、代替案の方法やスペック(仕様)を複数提示すること | ||
2 | 当方に多少余裕がある商談の中では、できる限り相手の顔を立てることや相手の立場を悪くしないように配慮すること | ||
3 | お互いの持つ事情や関係情報をオープンにするなど、できる限り本音で話すことで解決策を探すこと | ||
4 | 初めが肝心なので、当方に有利な条件で契約するために、駆け引きテクニックを駆使すること | ||
5 | 当方のこの商談に対する熱意と情熱を相手にまず理解してもらうこと | ||
6 | 長く良い関係を保つために、金額やスペックなどの無理な条件を呑まず、潔く交渉の打ち切りも常に考えていること | ||
7 | 初めてのお客様なので、多少の無理をしても商談を成立させ、新規取引を始めること |
※各自の「交渉力」は発揮出来ましたか。
グループの討議結論は、全員が納得いく結果になりましたか。
ポイントは、①お互いが納得できる理屈が通っているか(理論づけがしっかりあること)。②時間的制約の中で結論までたどりつけるか、です。
今回は30分という長い時間で実施致しましたが、15分~20分が目安でやってみましょう。
■交渉の9ステップの準備段階のシナリオづくりです。
◆事例研究でロールプレイの準備をしましょう。
★ケース:「突然の2倍注文と値引き依頼」
あなたが田中課長だとしたら、明日朝一番の面談で、山田社長にどのように対応しますか。面談のスクリプト(粗筋)を考えてみましょう。
面談時間は10分間です。
京都商会はギフト商品を扱っていて、京滋地区では同業数社の中では老舗である。 最近は、販売単価アップと地元への貢献を目指し、地元窯元の作品販売に力を入れている。 7月15日、京都商会のショールームに来店された山田産業の山田社長に田中課長が対応しました。 山田社長は、建仁寺の“風神雷神”が好きで、“陶泉窯の風神雷神変形八寸皿”が大変気に入り、100枚の注文をされました。この絵皿は、8月31日に行う、山田産業の創業50周年パーティーの来客への贈呈品です。その場で、田中課長は“陶泉窯”に在庫を確認し、山田社長と包装や搬入等の納品について打ち合わせを終えました。 7月18日夕刻に、山田社長からの電話に、田中課長は困り果ててしまいました。 “来客が150名になった、後で配る分を入れて200枚を準備して欲しい、金額は最低10%Lessして欲しい” 田中課長は早速、情報収集を始めました。 ① 陶泉窯には、現在120枚の同品がある。 ② 現在、陶泉窯は来月の「陶器市」もあって、受注が多く、追加分の京都商会への納品は色々と調整しても9月初旬が最短である。 この状況が判った時点で、山田社長に一応の状況を電話報告し、明日の朝一番での面談を約束いただきました。 田中課長は、“陶泉窯”との付き合いを大切にしたいと考えていましたので、“陶泉窯”に値引き交渉はしたくないと考えました。しかし、京都商会が吸収できるのは5%が限度です。 田中課長にとって、“陶泉窯”は地元清水焼の窯元の中で、仕入れ先として最も期待し、信用・信頼関係を深めたい窯元です。また、山田社長は、いままでの実績は僅かですが、地元の名士で、今後お取引を拡大したいお客様です。 |
- 準備段階のまとめ
ステップ | 具体的な内容・結論 | |||
⑤交渉目標の設定 交渉により達成したい、獲得したい目標を絞り込む。単一ではなくいくつかのレベル設定も必要。 |
京都商会としての目標 |
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④複数の達成案立案 双方の目標を達成・実現する方法を考える。いくつかの代替案を用意することが必要。 |
京都商会としての案と相手の反応予想 |
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③双方の重要目標の設定想定 当方が希望する交渉の目標だけでなく、相手側が考えるであろうことを出来る限り想定する。 |
山田社長側 |
京都商会側 | ||
②交渉の背景・条件理解 交渉に関する相手の意図、契約条件、選択可能性を理解し、当方の契約条件も整理する。 |
山田社長側 |
京都商会側 | ||
① 交渉実施意思の仮設定 この商談交渉はやる意味があるだろうか、やらざるを得ないだろうか、という仮の意思決定。無論、途中でやめることもある。 |
京都商会としての仮設定 |
意思決定の理由・背景 | ||
※グループでの話し合いの結果はいかがでしたか。
ケースでのポイントは、
- この交渉に乗るか?(交渉が決裂したらどうするかも含めて考えておく)
- 代替商品の検討(オリジナル商品であることと、山田社長が“風神雷神”が好きであることを忘れずに)
- 納期・量の検討(八寸皿は割れ物であることからも考えて)
- 仕入先のコストの確認(仕入先にもWin-Winの交渉が必要)
- 利益率の確認(京都商会が吸収できるのは5%が限度)
- “風神雷神変形八寸皿”について他商社の在庫横持ちの可能性確認
- その他(お客様が考えていたより○○○の提案) など。
★本日の営業道場での学び:各人のロールプレイは実施出来なかったですが、交渉における重要度順位づけで、自身の営業スタイルを明確にすることが出来、しっかり理論づけて、相手が納得いく交渉をすること(Win-Winの関係づくり)が大切であることが分かりました。
・ロールプレイの実践では、これまでの営業道場で鍛錬してきました、①お客様の行動タイプを考え、②お客様の確認を漏らさない(小さなYesを取りながら)ように、③お客様の心理(期待以上)を考えての提案、④些細なことでもスピーディに対応することです。
★次回の営業道場は、9月13日(金)19:00~21:00です。
★場所は、新京都センタービル 3階 会議室
★内容は、「ご縁」について、本部稲田先生の講義です。
✿営業道場の娘のひとりでもある山下さんがパートナーのいらっしゃるオランダへ立たれることになり、今回の8月の鍛錬会が最終となりました。新卒入社で入社以来ずっと京都営業道場の運営に携わって頂き、ありがとうございました。いずれ京都には戻って来られるので、しばしの別れです。元気で笑顔いっぱいの家庭を築いてくださいね。