スケジュール

京都営業道場報告書 No.86

☆日 時   2013年5月10日(金)

☆場 所   新京都センタービル 3階 会議室

☆参加者   14名(吉田師範、細見、町田、分銅、山下、西村、村木、倉田、

岡田、栂野、山居、蔡、上野、杉山師範)

☆内 容   「お客様の信用・信頼関係を築く交渉・折衝」

講師:稲田 裕計 師範(本部)

 

  • 京都三大祭りのひとつとして知られている「葵祭」の優雅な行列が、この5月15日にあります。京都御所から下鴨神社、上賀茂神社へと、新緑の都大路に繰り広げられる平安絵巻さながらの「雅」なお祭りです。京都最古の祭りでもあります。この行列の全てに“葵”の葉が飾れているのをご存知でしたか。ここ最近は、“葵”の葉の栽培に多大なご苦労があり、毎年の「葵祭」のために、地域が一丸となって取り組んでいらっしゃいますよ。
 
  • 本日の鍛錬会は、本部稲田先生の講義です。4年前(2009年3月)の道場にて学びました「折衝・交渉力」のバージョンアップです。
 
  • 講義の前に
    • 信用・信頼関係を築く
  • 信用とは:お客様(相手)があなたの言動が信じられること。
→ 約束したことは必ず守ることが必要。約束したアポイントの時間や納期、品質は最低限であり、ビジネスマナーもあたりまえに出来ること。
  • 信頼とは:困ったときに頼りになること。
→ お客様(相手)が困ったときに「何とかして欲しい」と声をかけるあなたであること。問題解決領域で頼りにされること。

 
  • 折衝・交渉が多いということは、
「売れない営業マン」である = もめ事(トラブル)が多い

 
  • “折衝・交渉”と聞くと、つい「駆け引き」をすることと考えがちですが、本日の鍛錬は、お客様と“Win-Win”の関係(両者双方が納得)=プラスサム交渉
 合意形成を前提とした、双方向のコミュニケーション
を学びます。

 

 
  • プラスサム交渉(Win-Win交渉)とは
「交渉」を対立する相手を攻撃するというスタンスではなく、交渉相手と手を組んで、ともに「課題・問題」を解決することを目指すこと。

 

 
  • プラスサム交渉の一般的なプロセスは、
  • 現状分析:目標の明確化(何を実現したいのか?)
相手との争点の明確化
  • 相互理解:双方の本質的目標の共有化
共通点、相違点、対立原因の明確化
  • 目標設定:共通する利益から、共有目標を設定する
  • 解決策 :目標実現のための解決等の立案(複数案を考える)
  • 評  価:意思決定。実行プランの立案
 
  • お互いが相手の交渉条件を理解した上で、互いに有利になる条件を積極的に探しだす交渉です。交渉条件(戦略的意義等)の幅を広げ、交渉の対象範囲(将来へのメリット)を広げる。互いに努力し、代替案を提示する過程で合意がなされること。
営業とは、互いのパイを拡大し、相手のビジネス拡大に寄与する活動でありたいものです。
 
  • まずは“交渉における重要度順位づけ営業スタイルのチェック”
をしましょう。

・あなたの部下、または後輩が将来有望な新規のお客様との商談に交渉事が発生しました。あなたは、下記の留意すべき事項をどの様な優先順位で指導しますか。(何が重要だと考えますか)すべて留意すべきことですが、敢えて重要順位をつけると・・・・。
No 項  目 自分順位 討議結論
当方が獲得したい利益目標などを実現するために、代替案の方法やスペック(仕様)を複数提示すること    
当方に多少余裕がある商談の中では、できる限り相手の顔を立てることや相手の立場を悪くしないように配慮すること    
お互いの持つ事情や関係情報をオープンにするなど、できる限り本音で話すことで解決策を探すこと    
初めが肝心なので、当方に有利な条件で契約するために、駆け引きテクニックを駆使すること    
当方のこの商談に対する熱意と情熱を相手にまず理解してもらうこと    
長く良い関係を保つために、金額やスペックなどの無理な条件を呑まず、潔く交渉の打ち切りも常に考えていること    
初めてのお客様なので、多少の無理をしても商談を成立させ、新規取引を始めること    
・グループのメンバーが納得するよう話し合いをして下さい。

そして、討議結論を多数決など安易な形で決めるのではなく、交渉にて決めましょう。

 
  • ここでのポイントは、①お互いが納得できる理屈が通っているか(理論づけがしっかりとあること)。②時間的制約の中で結論までたどりつけるか、です。


  • さぁ、ケースで考えてみましょう。
◆「突然の追加注文と値引き依頼」

平成産業は古くからのお付き合いで、村由さんが担当してから3年目を迎えています。

その間、取引額も毎年10%ずつ増え、自分の営業目標値の20%程度を占めています。

また、会社としても重要なお客様のひとつと言えます。

窓口担当者の森杉さんは商談には厳しいけれど、信用できる人だと言えます。
 ある日、森杉さんから電話があり、明日来社してくれと言われました。

電話の内容のポイントは次のとおりです。

①    先日、発注した◇◇を2週間後の納期どおり、20%増しにして欲しい。

②    先日決定した価格は最低10%ダウンして欲しい。

 

村由さんは悩んでしまいました。

①    まずは◇◇の製造側に納期確認すると、追加分は最短で3週間は掛かることが分った。

②    もし10%ダウンを呑めば、会社として決めている営業利益率20%は確保できず、10%近くになってしまう。5%ダウンが限界である。
・グループでの検討課題は
  • 自分が村由さんならどのような準備をして、面談に望みますか?
  • こんな交渉事は何故起るのでしょう
  • 営業マンとしての事前対応策は?
 
  • 先生からのアドバイス
    • この交渉に乗るか? → 上司の確認が必要
(交渉が決裂したらどうするかも含めて)
  • 代替商品の検討
  • 納期・量の検討
  • 仕入先のコストの確認 → 仕入先ともWin-Winの交渉が必要
  • 利益率20%の確認 → 上司の確認
  • ◇◇について他商社の在庫横持ちの可能性確認         など。
 
  • 次ぎに交渉の9ステップを会得しましょう。
★ 準 備 段 階

 
①   交渉実施意思の仮設定

この商談交渉はやる意味があるだろうか、やらざるを得ないだろうか、という

仮の意思決定。無論、途中でやめることもある
 

 
②   交渉の背景・条件理解

交渉に関する相手の意図、契約条件、選択可能性を理解し、

当方の契約条件も整理する
 

 
③   双方の重要目標の設定・想定

当方が希望する交渉の目標だけではなく、相手側が考えるであろうことを

出来る限り想定する
 

 
④   複数の達成案立案

双方の目標を達成・実現する方法を考える。

いくつかの代替案を用意することが必要。
 

 
⑤   交渉目標の設定

交渉により達成したい、獲得したい目標を絞り込む

単一ではなく、いくつかのレベル設定も必要。
 

 

 
  • 交 渉 場 面
 
⑥   人と交渉事を分ける

担当者の役割・立場・肩書きや好き嫌いに惑わされない。

※駆け引きがあることは意識しておく
 

 
⑦   本音で話しをする

建前や立場ばかりの話ではなく、お互いの事情・譲れない目標などについて

情報交換を本音ですることが必要。
 

 

 
⑧   アイディアを出し合う

お互いの事情・譲れない目標を解決・達成するための方策の

代替案を複数出し合う
 

 
⑨   客観的判断で選択する

出された複数の案から、双方にとって最もメリットの

高いものを選択する。
 

 
   交渉の6つの結果

①物別れ

②棚上げ

③第三者調停

④痛み分け・中間妥協

⑤戦略的妥協

⑥新発案で双方納得
 

 

 
  • 本日のまとめ
【売れない営業マンの特長】
  • 案件は数多く持っているが、商談が進まない
  • 交渉事、トラブルが多い
  • 聞くべきことが聞けていない(聞く・聴く・訊く)、
伝えるべきことが伝わっていない(具体性・本音)

 

◆どのようなことが大切か

1、確認を漏らさない(Yesを取りながら商談を進める)

商談要件について確認すべきことを確認し、その解釈について再確認を行う。

 

2、問題が起る可能性を潰しておく(布石を打つ)

商談要件の伝えるべきことは全て伝えておく。出来ないことは出来ないと明確に伝える。

 

3、些細なことでも、スピーディーに対応する

トラブルや交渉事が発生すれば、大小に関わらずスピーディーに対応し、芽を摘んでおく。

 

 

4、目的を忘れない

お互いが納得出来る結論を出すことが目的であることを忘れない。

 
  • 本日の道場での学び事前に折衝・交渉する案件に関連するすべて、それが不可能ならできる限りすべての「情報」を収集しておく
 
  • 事実関係を明確に認識しておくことは当然のことながら、情報量によって話を有利に進めることができたり、常に流動的な状況に「臨機応変」に対応するための前提条件として、事前準備の大切さを改めて学びました。
  • 交渉は、説得(駆け引き)ではなく、Win-Winの関係 = 双方納得交渉をすること。
 

★次回の営業道場は、6月14日(金)19:00~21:00です。

 ★場所は、新京都センタービル 3階 会議室です。

 ★内容は、交渉ロールプレイです。

 

◆次回(6月14日)の鍛錬は、本日学んだ事を踏まえての交渉ロールプレイを致します。ロールプレイ用のケースを記載しておきますので、対応策の準備をしてきて下さいね。

 
お客様からの電話・伝言・メール お客様の話の

可能性
対応案と

その準備
来月末の大型納品について話がしたいので、明日9時に来て欲しいという連絡がお客様から電話があった。内容は、その時に話すということである。

(来月末は期末。納品する品は既に手配済みである)
   
次期の調達方針に変更が急遽発生した、少し話がしたいので上司と共に明日1130分に来て欲しいとの伝言があった。内容はその時に話すということである。    
先日の契約についてもう一度話がしたいので、明日1145分に来て欲しいとの伝言があった。

内容はその時に話すということである。
   
サプライヤー企業の絞り込みをしたいので、近々都合の良いときに調達課に来て欲しいとの電話があった。詳細はその時に話すということである。

明後日の10時に訪問することにした。
   
当社との営業体制について話がしたいので、上司の営業所長に明日15時に来て欲しいというメールが入った。

内容はその時に話すということである。